涼を得る
コラム2019.05.23
まもなく夏本番を迎える季節になってきましたが、今年の夏ちょっとした工夫で「涼」を得る方法をご紹介します。
東洋医学では、「夏は陽気(体を温める熱エネルギー)を程よく発散させるようにするべし」と言っております。
その方法の一つが、体を冷やす食材をとることです。例えば「ごぼう」です。夏には「夏ごぼう」が出回っています。ごぼうは、元々中国から薬草として日本に伝わってきたと言われ、体内の余分な熱を冷ます効果があります。また、ごぼうの種は「牛蒡子(ごぼうし)」という名で、風邪をひいたときの解熱などを目的として今も用いられています。また、熱帯地方の代表的なフルーツであるバナナは、栄養価が高い上に消化にも優れているため、お勧めです。カリウムも多く含んでいるため、暑さでイライラする気持ちを和らげる効果も期待できます。また、眠りのメカニズムでは、体温の幅が大きいほど眠りやすくなるので、あえて体温を上げ、眠りに入るにつれて下がるという仕組みを作り出だす「温かいお茶」もお勧めです。
最近では、ゴーヤやアサガオ、ヘチマなどの蔓が伸びる植物をベランダで育て、「緑のカーテン」を作る家庭が増えています。これは部屋に差し込む直射日光を遮るだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。これは、すだれやよしずでも十分効果があります。昔から伝わる「涼」の取り方の打ち水。ベランダや道路、玄関先だけでなく、家の壁などにかけても効果があります。夏の道路の路面温度は60度に達することもありますが、打ち水によって約15度も下がったという例もあるほどです。
このように、ちょっとした工夫の積み重ねで、今年の暑い夏を乗り切っていきたいですね。