日本語の特徴

コラム2018.03.14

主に日本語は、漢字という表意文字と、ひら仮名・カタ仮名という表音文字で構成されていますが、さらに日本語の表記には、これらの他に句読点やローマ字、簡単な英語、アラビア数字、ギリシャ数字そして特殊な記号までさまざまな文字まで使われています。

 表記方法も、縦書き、横書きがあります。通常、横書きは左から右に書きますが、昔の看板などは右から左に書いたものもあります。縦書きの文字は世界的にも珍しく、外国人は日本人が縦書きで文章を書くのを見て驚きます。縦横、左右の問題は外来文化が入ってきた影響で混乱の時期であったといえますが、これらの雑多の表記方法を使っている日本語は、マスターするのが難しい言語だといえるでしょう。

 表意文字である漢字は、文字自体に意味を持つので、言葉を早く理解することができるという利点があります。特に漢字はパターンで認識するので、文字とイメージが結びつきやすいのです。例えば「京都」という言葉を見ると、その文字から京都に関するイメージが自然と頭に浮かびます。高速道路の標識も、漢字だから速く、しかも正確に認識できます。これがアルファベットなら瞬時に認識することはできません。これは言語の特徴を考える場合、重要な点です。

 しかし漢字にも欠点があり、基本的に一文字がそれぞれ意味を持つということは、世の中の新たな現象を表現するためには、それに対応する漢字が新しく必要になるということです。そこで日本語は、熟語と「かな文字」の発明で、極力使う漢字が増えることを回避してきたように思います。

 熟語の登場は、文字と文字の組み合わせですから、漢字の数を増やすことなく新しい概念を表現することを可能にしてきました。また「ひら仮名」と句読点を用いることによって、どれが熟語であるのかが明示され判別されやすくなります。さらに外来語を「カタ仮名」で表記することで、漢字を増やすことは回避できます。

 このように、新しい漢字の導入をさせなかった代わりに、日本独自の仮名文化が台頭したわけです。普段何気なく使っている日本語ですが、こうして改めて考えると深いものがありますね。昨今正しい日本語を、と叫ばれていますが、すばらしい言語に敬意を表して日本語を使いたいものです。